love in the first degreeだね

フルグラはおいしい

Nobody Knows

Conde on Twitter: "Nobody Knows (2004) || Hirokazu Koreeda (是枝裕和)… "

 

「誰も知らない」を見た。映画の存在自体はずっと知っていて、でもなんだか見る気になれない映画だった。

見た後、いつもならすぐにフィルマークスに記録を残すのだけど昨晩は出来なかった。
心に重くのしかかって、いろんなシーンが消えなかった。

是枝監督の作品はいくつか見たことがあって、万引き家族とか、そして父になるとか
でもこの映画が一番ダメだった。嫌いとか好きとかではなく、ダメだった。

この映画を「良い映画だなぁ」とか言えない。映像作品としては本当に美しかったし
どの子供の演技も、もちろん母親役のYOUの演技も素晴らしかったけど
でも、今でも苦しい。知らなければよかったなぁと思う。
この映画を見なければ、誰も知らない子供たちを知らなければ。

そういう人たちがこの映画にたくさん出てくる。セリフはなくても、存在として。
街を通り過ぎていく人。一緒に遊んでいる子供。コンビニに来る人。マンションの大家さん。その他大勢の人。

みんな知っているのに、子供たちのこと。気づいているのに。
知らないふりをしている人たち。それは、私だった。
主人公の明くんのどんどん汚くなっていくTシャツを、私は見ていた。
いろんなものにお金が払えなくなっていくのを見ていた。
お風呂に入れなくなって、電気がつかなくなっていくのを見ていた。

でも何もしなくて、映画は終わってしまった。

この社会の仕組みをどうすれば、みんなが幸せになれるのかな。


映画を見終わってから、暖かい部屋の中で毛布にくるまる私が、お腹が空いて食べるものがすぐにある私が、トイレが流れることが、「ありがたいねぇ」で終わりでいいのか?とずっと考えている。
この映画のこと、知られていない子供たちのことを忘れていくことが怖い。そして忘れないことも、とても苦しい。
世界は幸せになるのか?そんなことは私が幸せな環境にいるから考えられることであって、余計なお世話なのかもしれない。でも、あの子供たちは誰が助けるの?


幸せとはなんだろうかとか、親の責任ってなんだろうとか、それぞれの生活の基準とか
いろんな曖昧なことでこの世界は溢れていて難しい。

みんなが幸せには、多分なれない。

みんなが幸せにはなれないけど、でもそれでいいのかな。


こうやって、一定の気温が保たれた部屋で、暖かい服を着て、音楽を聴いたりしている私の知らないところで、生きている子供たちがいる。どうすればいいの。